キングコング西野亮廣が製作総指揮をしている映画「えんとつ町のプペル」を鑑賞してきました!
公開後すぐに、Twitterでは上映後至る所で拍手喝采が起こっていると話題になっていました。そこまでの名作が!という期待感が高まる一方で、西野亮廣の活動自体を応援しているファンやオンラインサロンメンバーが頑張って盛り上げているのでは・・?という疑問も少なからず聞こえていました。
今回は、純粋な作品自体の面白さはどうなんだ!?という疑問から、実際に観て確かめてきたので感想を書いていきたいと思います!
あらすじ
厚い煙に覆われたえんとつ町で、ルビッチはゴミから生まれたゴミ人間・プペルと出会う。ルビッチは、父親のブルーノが煙の向こうには星があると語っていたことを強く信じていたことで、町のみんなから嘘つき呼ばわりされていた。町のはみ出し物であるルビッチとプペルは自然と惹かれ合い仲良くなる。そんなある日、父が語り託していた「船」が町に突如現れる。船を見たルビッチとプペルは、星を見るために町の常識を覆す行動を起こすことを決意する。
以下、ネタバレ含みます
(1)緻密な映像クオリティ、子供が楽しめる仕掛け
まず、予告編を観た時点でもビックリしましたが、映像のクオリティが本当に高いと思いました。
特に本作の舞台となるえんとつ町の背景が緻密に書き込まれていて、絵の美しさに驚きました。しかも最初の方だけ引きのシーンでえんとつ町の背景を書き込むのではなく、本編の100分間ずっと美しいえんとつ町が表現されていました。
この美しい絵があるからこそ、プペルの世界観にスッと入り込めたような気がします。
今回アニメーション制作を手掛けたのはSTUDIO4℃です。STUDIO4℃はこれまでアニメ映画の「海獣の子供」や「鉄コン筋クリート」を作ってきているスタジオです。
以前放送していたバラエティ番組「リンカーン」のオープニングムービーを作ったりしているのも面白いですね。
映像の美しさは大人が観ても十分価値のある作品になっていると思いました。正直、ストーーリー云々を関係なくせばこの映像を観にいくだけでも割と楽しめると思います。ここまでの絵を作り込むのにどれだけ時間がかかるのか・・・日本のアニメーションスタッフの底力を感じました。
ディズニーやピクサーとも違う世界観を日本のアニメーションは作れるのかもしれません。
また、このプペルは元々絵本なので子供の目線もかなり意識して作られているように感じました。
唐突にMV風のダンスシーンが始まったり、ルビッチとプペルが出会うシーンでは、ゴミ処理場を抜け出すためのアクションの数々やトロッコの主観シーンなど、ストーリーには直接関係ないものの、子供たちが観てワクワクできるような仕掛けがいくつかありました。
この辺は完全に子供向けに作られていそうなので大人が観た時になんだこれ?という反応になる可能性はあります(笑)
ですが、子供向けの作品でもあるので、そこは子供を置き去りにしない姿勢にむしろ褒めたいところです。
(2)前半は冗長、後半から一気にクライマックスへ突入
前半部分はプペルという作品の世界観を紹介するような流れが結構長い時間続くので、少しつまらなく感じる可能性はあります。
特に子供向けのシーンも長いので退屈だと思う人も結構いそうですね。
構成自体はシンプルですが、音楽が多用されていてMVっぽい感じの作りは意識しているのかもしれません。
挿入歌が4曲ほどあって新海誠監督作品がよくしている音楽と物語をごちゃ混ぜにしているような感覚にもなりました。僕自身は音楽バンバン使って物語を盛り上げまくる演出は好きなのでその辺は良かったです。
しかしこの作品、前半は若干冗長に感じましたが、後半から猛スピードでクライマックスに突入します。後半になりプペルとルビッチが星を見に行こうと決心するあたりからは、完全に気持ちもノって食い入るように観てしまいました。
前半の伏線を色々回収しながら、クライマックスまでいく流れはかなり分かりやすくてそこは観やすかったですね。
そして、クライマックスでプペルとルビッチが気球に乗って煙を吹き飛ばそうとするシーンでルビッチの父親・ブルーノの紙芝居、異端審問会と住民たちとの乱闘、この3つのシーンがカットバックで進むラストはかなり疾走感もあって気持ち良かったです。
ルビッチの父親役の立川志の輔さんの熱のこもった演技はめちゃくちゃカッコよかった!最後に煙が晴れて星が見えた時のカタルシスは立川志の輔さんの熱演に寄るところが大きいかもしれません。
今回声を演じているのは声優ではなく俳優さんが多いですが、なぜプペルが窪田正孝なのかは、永遠の謎です(笑)
プペルのセリフはあまりなく、「ふぇ〜〜〜」とかの声が多いのでわざわざ窪田正孝に演じてもらう必要はあったのか、、と今でもよく分かりません(笑)
(3)プペルが伝える超明確なメッセージ
本作のテーマ、メッセージは非常に明確で分かりやすいです。なぜなら、主人公たちが余すことなく全部セリフで言ってくれるから(笑)
この映画がつまらないと感じる人はこの辺りの理由がありそうですね。もうちょっとストーリーでメッセージを伝えられなかったのか?と。セリフが全て説教くさいと萎えてしまうことも良くありますからね。
「えんとつ町のプペル」公式HPで西野さんがこうコメントしています。
「えんとつ町」は夢を持てば笑われて、行動すれば叩かれる現代社会の縮図で、『えんとつ町のプペル』は僕自身の物語でもあります。
テレビの外に飛び出した日、絵本を描き始めた日、あの日この日。
前例の無い挑戦を選ぶ度に、暇を潰すように笑われ、日本中から叩かれ、
悔しくて震えた夜は何度もありました。『えんとつ町のプペル』は、見上げることすら許してもらえなかった自分や、自分と同じような目に遭っている挑戦者の物語を書いたハズだったのですが、今年、世界を襲った100年に1度のウイルスがその意味を大きく変えました。
たくさんの人が涙を流し、たくさんの夢や希望が消えてしまいました。
世界は黒い煙で覆われ、まるで「えんとつ町」のよう。
誰も見上げることをしません。公開を来年に延期する話も上がりましたが、どっこい、『えんとつ町のプペル』は黒い煙を突き破り、星空を見つけるまでの希望の物語です。
出典:https://poupelle.com/
とまぁ、ほぼ正解をHPで語っていてむしろ潔いですが、誰にも理解されないことを発言し、叩かれたって前を向こう、異端と思われたっていい、自分の信念を曲げずに突き進め、そして信じぬけ。奇跡は必ず来るのだから。
こういうメッセージですよね。まさに西野亮廣の人生そのものを描いているようです。
この分かりやすいメッセージは劇中何度も繰り返されるブルーノやルビッチ、プペルのセリフからも容易に読み取れます。
その信念に涙する人も多いはずです。実際、隣で観ていた子供は号泣し、大人のすすり泣く音もちらほら聞こえてきました。
ラストシーンで、プペルとルビッチが星は必ずあるんだという信念を貫く行動を、大衆の面前で見せた時、それを傍観していた大衆も心を動かされます。
二人の行動をずっと外側から馬鹿にしていた大衆も仲間となり、一緒に星を見ようと戦ってくれる。この辺りのシーンもまさに、理解されなかった西野亮廣の活動が、やっと大衆から理解を得て、さらにオンラインサロンという場で仲間を増やしていく現実のストーリーとそのまま被ります。
なぜ、えんとつ町が閉鎖的で常に町全体が煙に覆われているのか、その謎が物語後半で明かされますが、その裏設定のストーリーが無駄に凝っていましたね(笑)
お金に関する価値観や争いのアイデアはさすが西野さんだからこそ思いつくアイデアだな、と一番この時が惹きつけられたかもしれません(笑)
この裏設定にも西野さんがこれまで活動してきたレターポット等の引用がありそうですね。次回作があればここのお金にまつわる物語を掘り下げてくれたら超面白そうだな〜なんて思いました。
まとめ
これまで通常の上映映画で、上映後の拍手喝采は二度立ち会ったことがあります。
それは、「スター・ウォーズ エピソード7」の日本初公開時間の上映会と「THIS IS IT」でした。それくらい映画館での拍手喝采は珍しいことです。様々な映画館で拍手喝采が起こるのはそうそう有り得ない現象だと思うので、西野さんのファンが積極的に拍手しているのでは、と予想できますが、それでも作品自体の絵は美しいし、クライマックスの盛り上げ方もうまかったので良い作品だと思います。
感動して泣くまではいかなかったですが、作品としてはうまくいっているのではないでしょうか。
ちなみに、主題歌の「えんとつ町のプペル」はめちゃくちゃ中毒性ありますね〜。何度も聞いてしまうし、勝手に口ずさんでしまいます。。
しかも作詞・作曲が西野さんで、この人の才能エグいな!と思いました(笑)
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